こんにちは、アキタです。
今回はステンレスキッチンの掃除方法について記事にしたいと思いますが、普通の清掃作業とは少し違います。
今回重要な要素となるのは”研磨”です。
ステンレスを磨き上げることで新品同様のピカピカな状態を目指します。
この記事を読むことで次のことを知ることができます。
- 鏡面仕上げに必要な道具
- 作業方法、やり方
- メリット、デメリット
【ステンレスキッチンシンクの鏡面仕上げ】道具・やり方をご紹介!
ハウスクリーニングは基本的に清掃業ですが、掃除の対象に蛇口などのメッキやキッチンシンクなどのステンレスといった金属が存在します。
ナイロンスポンジと酸性洗剤・クリームクレンザーを使用して磨き、ピカピカに仕上げます。
もちろんキッチンのシンクやトップがステンレスの場合も同じように磨きますが、キレイにするのも通常の作業では限界があるのが現実です。
そこでピカピカに仕上げるのが鏡面仕上げ。
鏡面とは文字通り表面を鏡のように仕上げる方法で、元々トップが鏡面で仕上がっているステンレスキッチンは多くあります。
しかし鏡面はキレイである反面、いったん傷や汚れが付くと非常に目立つため、長く使っていると輝きが鈍くなります。
そうなってしまうと通常のクリーニングでは元の鏡面に戻すのは難しくなってしまいます。
そのため研磨による鏡面仕上げを施し、新品の輝きを再生させるのです。
それでは実際に鏡面仕上げを実現するためのやり方と必要な道具をご紹介しようと思います。
必要な道具
必要な道具は下記の通りになります。
- ハンドポリッシャー
- ラバーパット
- 下地処理用の道具
- 研磨シート
- 研磨剤
- ウエス数枚
- 養生
- 中性洗剤
まず最初にハンドポリッシャーですが、これはリョービ(RYOBI) サンダポリシャ PE-2010を使います。
回転速度を変更することができ、扱いやすいです。
パットはラバーパット125MM(マジツク)。
ゴム製で柔らかいのでエッジの部分にもパットを当てやすく研磨しやすいです。
ハンドポリッシャーに着けて研磨パッドをマジックに取り付け使用します。
次に下地処理のための道具をご紹介。研磨する前に過度な水垢などを予め取り除き、表面をなだらかにしておく必要があります。
そのための道具が次の2つ。
この2つを使って過度な水垢を落とし、研磨に備えます。
次に養生用の道具です。
布コロナマスカー(布マスカーテープ) 2100mm×12.5m 2100mm×12.5m。
ではいよいよ肝となる研磨シートですが、これはシャイネックスサンドシートEXを使用します。
使う番手は#240、#320、#400、#600、#800、#1000です。
これと同時に研磨剤も使っていきます。使う研磨剤は次の通り。
東栄部品 ベストベット (黒ずみ、水錆び強力クリームクレンザー)950ml
最後に必要な道具として紹介するのがウエス、中性洗剤、養生用の資材です。
養生は大きめのマスカーテープが一つあれば大丈夫ではないかなと思います。
中性洗剤は研磨したことによって出た汚れを除去するのに必要です。
ウエスは汚水を拭き取るのと仕上げ拭きするのに使いますね。
以上が研磨に必要な道具となります。
鏡面仕上げのやり方
では実際にステンレスキッチンを研磨する方法を書いていきたいと思います。
作業手順は次の通りです。
- 養生
- 下地処理
- 磨き作業
- 拭き取り
では最初の養生ですが、まず動かせる物は移動させましょう。
動かせないものや床・壁はマスカーテープを使って研磨による飛沫がつかないよう養生します。
次に下地処理。
先に紹介したケレンや3Mのスポンジ研磨剤を使って過度の水垢を除去します。
特に蛇口まわりは水垢が硬く付着しており、ケレンを使わなければなかなか除去は難しいと思います。
その周辺はスポンジ研磨剤で汚れを落としていきます。
そして磨き作業。
ハンドポリッシャーに各種シャイネックスEXを取り付けて研磨剤と併用して研磨していきます。
番手と使う研磨剤の構成は次の通りです。
シャイネックスEX | 研磨剤(コンパウンド) |
#240 | ベストベッド |
#320 | ベストベッド |
#400 | H&H 半練コンパウンド 金属用 G100R |
#600 | H&H 半練コンパウンド 真鍮用 G100Y |
#800 | H&H 半練コンパウンド アルミ用 G100W |
#1000 | H&H 半練コンパウンド アルミ用 G100W |
スポンジバフ | H&H 半練コンパウンド ステンレス用 G100G |
最初に使うことになる#240は特に重要で、ここでしっかり磨いて汚れや傷の除去をしなければ後々の仕上がりに影響が出ます。
次に#320。
これらも深い番手で付いた傷を除去する作業になりますので重要となり、しっかり深い傷を消していかなければこの後いくら磨いても光沢は上がりません。
ここからは#400、#600、#800、#1000という順番で磨くわけですが、#400からは光沢を上げていく作業と考えていただいても良いと思います。
#240、#320ほど時間をかける必要はあまりありません。番手が上がっていけば尚更です。
この辺りは経験で判断いただければと思います。
ここで毎工程必要となってくる作業の説明となりますが、それは下記の通りです。
- 横(一定方向)に手磨きを施す。
- しっかり拭き取ってから次の工程に移る。
手作業で横に磨く理由ですが、ハンドポリッシャーは回転して磨いているので波紋ができます。
それを目立たなくする必要がありますので、横に磨いて消す作業をします。
次に拭き取り作業ですが、次に工程に移る時に素材に前工程の研磨剤が残っていると同じ傷が付き、前工程の傷が消せないということになります。
そうなるといくら磨いても光沢が上がっていかないのです。
ということでしっかり拭き取ってから次工程に移る必要があります。
これは大理石など他素材を研磨するときも必ずする作業で、研磨の基本となります。
以上が簡単ではありますが、ステンレスキッチンの鏡面仕上げの作業工程になります。
実際に作業している動画のリンクも貼っておきますので参考にしてください。
鏡面仕上げのデメリット
新品に近い仕上がりを表現できる鏡面仕上げですがメリットだけではありません。
ステンレスという金属は酸化皮膜(不動態皮膜)と呼ばれる皮膜を形成するようにできています。
これが表面に作られることによって素材自体が保護される、だからこそのステンレス、つまりサビにくいのです。
しかし鏡面に仕上げるにはこれらの皮膜を除去するほどの研磨を施さなければなりません。
そのため、研磨後はピカピカになってとてもキレイなのですが反面、汚れやすくなってしまうのです。
これは新品のキッチンでも同じことが言えます。
ですから鏡面に仕上げるのは次の場合を除き、あまり実用性がないという意見もございます。
- キッチンの状態を一度リセットしたい。
- ピカピカにして売却物件の価値を上げたい。
- 酸焼けなどを除去したい。
材料や施工の手間、時間もかかるので当然料金も高い作業となります。
ですからその辺りも含め、お客様にご説明して作業を受ける必要はあるかと思います。
もちろんコーティングとセットで提案しても良いかもしれません。
また、光沢を上げすぎると研磨痕が目立ってしまいますので、今回の記事で説明した程度の作業に留めておいた方が良いかもしれません。
まとめ
以上がステンレスキッチンの鏡面仕上げの作業内容及びそれに付随する注意点などになります。
もう一度まとめますと次の通りです。
リョービ(RYOBI) サンダポリシャ PE-2010、ラバーパット125MM(マジツク)、シャイネックスEX(#240〜#1000)、スポンジバフ、ケレン、3M スポンジ 研磨材 サンドペーパー、ウエス、中性洗剤、マスカーテープ
- 必要な養生を施す。
- ケレンやスポンジ研磨剤を使って下地処理をする。
- 研磨剤を併用して#240から順番に磨いていく。
- 中性洗剤を使ってウエスで拭き取る。
ある程度経験を積んで慣れる必要があると思いますが、数をこなせば必ずキレイに仕上げることができると思います。
参考になれば幸いです。