こんにちは、アキタです。
前回の清掃用洗剤に関する記事では界面活性剤をはじめ、酸性・アルカリ性・中性といった基本的なことについて説明しました。
今回はカビ用洗剤で有名な塩素や酸素系漂白剤、還元剤、溶剤について説明したいと思います。
下記のリンク先の記事と合わせて読むことで、必要最低限の洗剤に関する知識をつけることができます。
掃除で使う洗剤や界面活性剤について。酸性、中性、アルカリ性。
ハウスクリーニング用洗剤。塩素・酸素・還元・溶剤。
酸性・アルカリ性については汚れを中和することによって除去することが可能になる理屈でしたが、今回ご紹介する洗剤については少し違います。
漂白剤は文字通り、漂白効果を促して黒ずみを消す、あるいは目立たなくする。
還元剤は化合してできた汚れ・色素を化合する前の状態に戻して除去する。
溶剤はこちらも文字通り、汚れを溶かして除去する。
それではそれぞれ見ていきましょう。
塩素系漂白剤
こちらはカビキラーなどの商品であまりにも有名な次亜塩素酸ナトリウムを示しています。
独特の鼻に付く臭いを持ち、プールなどで嗅ぐ臭いはほとんど塩素によるものです。
酸素系と比べて漂白効果が強く、衣類などに使うと柄物ならたちまち色落ちしてしまいます。
もちろんその分刺激が強いため、扱い方は注意が必要。
特に酸性洗剤と混ぜると有毒なガスが発生するため、絶対に混ぜてはいけません。「混ぜるな危険」の注意書きはあまりに有名ですね。
殺菌・消毒・消臭効果があり、カビ汚れに対しては必須アイテムとなります。
含まれている商品は市販の物であればカビキラー、キッチンブリーチ、キッチンハイターなど。
キッチンブリーチは1本100円ほどで購入することができ、塩素の含有率は4%ほどとは言えかなり強力で、プロのお掃除屋さんも使っている方が多いです。
なお、性質はアルカリ性。これは次亜塩素酸がアルカリ性の中でなければ安定しないためです。
ハウスクリーニングでは必須アイテムと言えるでしょう。
酸素系漂白剤
酸素系は塩素系と違い、主に2種類の漂白剤があります。
それは過炭酸ナトリウムと過酸化水素の2つ。
過炭酸ナトリウムはアルカリ性の性質を持ち、炭酸ナトリウムと過酸化水素が配合された物。
主に衣類などの繊維製品の漂白に用いる物で、塩素と同じように除菌・消臭効果があります。
もちろんカビにも効果がありますが塩素ほどではありません。
その代わり鼻を付くような臭いはなく、環境への負荷も少ないという安全性を持ちます。なぜなら水に溶けると炭酸ナトリウムとなるからです。
形状は粉末で置いてあることが多く、近所のドラッグストアなどにも必ずあると思います。
次は過酸化水素です。
過炭酸ナトリウムの成分の一種である過酸化水素ですが、ここでいうのは35%ほど配合されたもの。
医薬外劇物に指定されており、購入する際は書類が必要となります(氏名、住所、職業、使用用途を記入して押印するだけの簡単なもの)。
主に次の役割を持ちます。
- ビニールクロス(壁紙)の洗浄。
- 白木などの無垢材の灰汁洗い用。
- 大理石などのシミ汚れの除去。
過炭酸ナトリウムとは逆に性質は酸性を示しておりますが、使用する際は助剤となるアルカリ剤と混ぜて使います。
使用後は水と酸素に分離するため残留洗剤などの心配はほとんどありません。不安な場合は専用の中和剤で中和洗浄すると良いでしょう。
ハウスクリーニング業者が使用するのは主に過酸化水素の方だと思います。
還元剤
簡単に言うと還元剤とは酸化したものから酸素を分離させて元に戻すものです。
独特の臭いをもち、清掃用の洗剤でいうと主にサビ抜き剤に配合されています。
サビとはほとんどの場合に置いて酸化してできるので、酸素を取り除けば除去できるとして使われるのです。
サビに還元作用のある洗剤を当てると紫色に変色します。反応しているということです。
ところがその紫色が取れなくなったりすることが稀にあるので、過酸化水素で漂白したり、リン酸などを用いて除去します。
溶剤
最後はシンナーなどの溶剤成分です。
清掃に置いて溶剤は主にシール剥がしに用いられます。
ただ気をつけなければいけないことが2点あります。
- プラスチックなどの素材に使うと素材そのものを溶かしてしまうことがある。
- 塗装を剥がしてしまうので塗装面には使用する際は注意が必要。
シールの粘着などの機械油には動植物系のアルカリ性洗剤は効果が薄いので、必ず一本はシール剥がしを持っていた方が良いです。
まとめ
- 次亜塩素酸ナトリウム:カビの除去(除菌)・漂白・消臭
- 過酸化水素:大理石や無垢材のシミ抜き
- 還元剤:サビ抜き
- 溶剤:シール剥がし
前回の酸性・中性・アルカリ性と今回紹介した塩素系・酸素系漂白剤、還元剤、溶剤があれば、どのような状況でもある程度対応できるかと思います。
ただ、大理石や無垢材のような天然素材に関しては専用のものを使った方が良かったりなど、用途に合わせた方が良い場合もあります。
それらに関しては後々、記事を作ろうと思いますのでお待ちいただければと思います。
参考になれば幸いです。