こんにちは、アキタです。

今回は掃除で使う洗剤についてご説明したいと思います。

お掃除で使う洗剤は主に次の3つ。

  • 酸性洗剤
  • 中性洗剤
  • アルカリ性洗剤

他にもいろいろあるのですが、今回はこの5つについて説明したいと思います。

掃除で使う洗剤について。酸性、中性、アルカリ性、界面活性剤とは。

掃除で使う洗剤や界面活性剤について。酸性、中性、アルカリ性。

専門業者ではない一般の方でもお掃除という作業は常日頃からするでしょうが、洗剤の性質や成分を考えて作業を行う人はそれほどいないでしょう。

ですが、性質を考えて使わないと全く意味をなさないことも多くあります。

つまり汚れにあった洗剤を使わなければ効かないということです。

おそらく多くの人はキッチン用だったりトイレ用だったりと用途に合わせたものを使うと思いますが、それでも大丈夫です。

しかし、やはりプロなら性質や成分をわかった上で使うべきでしょう。

なぜならプロは業務用の強力な洗剤を使用するからです。

どういうことかというと、汚れに有効でも素材に対してのダメージも強くなってしまうので、その辺りも把握した上で使う必要があるのです。

界面活性剤

洗剤の基本となる界面活性剤。

よく聞く単語ですが、界面活性剤とは要は洗剤の主剤です。

水に馴染みやすい親水基と油に馴染みやすい親油基を持ち、この作用により、水と油が溶け合うようになります。

表面張力を下げる物質、と呼ばれることもあります。

また界面活性剤には陽イオンの親水基をもつカチオン活性剤と陰イオンの親水基をもつアニオン活性剤の2種類があります。

なお、カチオンは酸性、アニオンはアルカリ性、どちらでもない場合はノニオンと言って中性となります。

イオンの性質の違いや濃度を数値で示した単位がph値です。

界面活性剤

真ん中の7.0のみが中性のノニオンとなり、それ未満の数値ならカチオン(酸性)、それ以上ならアニオン(アルカリ性)です。

例を上げると酸性の代表ともいえる塩酸はph0、アルカリ性代表の水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)はph14。

カチオンは数値が低いほど強力で、アニオンは逆に数値が高い方が強力となります。

なお、希釈する場合の倍率ですが次の通りになります。

  • 数値を1下げる場合は10倍希釈
  • 数値を2下げる場合は100倍希釈
  • 数値を3下げる場合は1000倍希釈

ph14をph13にするときは水で10倍に薄めるということです。ph14からph12なら100倍。

また希釈倍率のついてですが、これも意外と知らない人が多いです。

例えば10倍希釈なら洗剤1:水9という形になります。

ではこれらを踏まえた上でアルカリ性・酸性・中性についてご説明したいと思います。

アルカリ性・酸性

住宅や事務所、店舗などの汚れのほとんどは動物性油です。

キッチンや換気扇の油汚れはもちろん、ドアやスイッチの手垢や皮脂汚れ、タバコのヤニも油となります。

油汚れというのは性質が酸性です。ですから油汚れにはアルカリ性の洗剤を使うのが適切です。

簡単に言うと中性に促すわけですね。

キッチンや換気扇には強力な油用洗剤を使用しますが、ドアなどの建具には強すぎるため、ph8〜ph9程度に抑えられた弱アルカリ洗剤を使用します。

では逆にアルカリ性の汚れはどのような物があるでしょうか。

水垢や尿石、サビなどの無機質な汚れから石鹸カス(商品によります)などです。

こちらに対しては先ほどとは逆に酸性の洗剤を使います。

酸性洗剤は用途によっていくつか使い分ける必要があり、具体的な成分と用途は下記の通りです。

  • 炭酸カルシウム系の水垢や尿石→塩酸
  • ガラス材質の硬い水垢であるシリカスケール→フッ化水素・フッ化アンモニウム酸
  • サビ落とし→リン酸
  • 金属の酸洗い→クエン酸・リン酸

だいたい上記のような使い方で覚えておけば間違いないと思います。

なおフッ化水素酸(フッ酸)や10%以上の塩酸は医薬外毒物に指定されており、非常に危険な物となっております。

使用する際は酸性用手袋を着用の上、皮膚につかないように注意を払いながら作業する必要があります。

中性洗剤

では中性洗剤とはどのようなものでどのような場合に使うのでしょうか。

前述の通り、中性とはph値で言うと7.0です。物で言うと不純物を一切含まない純粋ということになります。

つまりただの水です。洗浄力はありません。

しかし巷には中性洗剤と書かれた商品がたくさんありますね。

これらは全て弱アルカリ性か弱酸性の洗剤となっております。

マルチクリーナーや万能洗剤と呼ばれているケースが多く、手垢などの軽度な汚れに使用されます。

強アルカリや強酸性の洗剤と違って強力過ぎないので素材を痛める可能性が少ないので、とても扱いやすい洗剤となります。

まとめ

イオン濃度を示したph値は7.0を中性として下回る数値が酸性、上回る数値がアルカリ性です。

  • 酸性は数値が低いほど強い。
  • アルカリ性は逆に数値が高いほど強い。

そしてサビや水垢、尿石などの無機質な汚れに対しては酸性洗剤を、油汚れに対してはアルカリ性洗剤を使用します。

以上が最低限必要な洗剤の基本的な知識となるかと思います。

参考になれば幸いです。